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深井 勝麿; 白石 健介; 八木 栄一*; 浜田 省三; 沢井 友次
日本原子力学会誌, 26(11), p.974 - 976, 1984/00
被引用回数:0 パーセンタイル:0.3(Nuclear Science & Technology)イオン照射によって金属材料中に生じる損傷の分布は一様ではなく、照射イオンの平均飛程近傍に集中する。従って、イオン照射による実験結果を定量的に解析する上で、一つの基準となる平均飛程を実測することは重要である。高エネルギーHeイオンのステンレス鋼における平均飛程を実測するために、我々が開発した化学エッチングによる方法が、Heイオンに限らず他のイオン種にも応用できることをArイオン及びNイオンの照射によって確かめた。この方法によって、ステンレス鋼におけるArイオン(45.7MeV)及びNイオン(86.2MeV)の平均飛程は、それぞれ6m及び40mと求められた。これらの値は、拡張E-DEP-1コードを用いて計算した平均飛程〔Ar(45.7MeV)…5.2m N(86.2MeV)…39.8m〕とかなりよく合う。また、照射後、高温で熱処理すると飛程近傍に顕著な組織変化が起きる。このため、同じ方法で飛程を求めることができる。